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黒椿人形館
第2章 芳香
鉄格子にはさっきまでしのめを拘束していた縄の一部がからまって残っている。その縄の残骸を見ただけで、真菜の鼓動はまた速くなった。
真菜の体の動きが止まる。
うつ伏せになっている真菜の目の前に、液体が飛び散り絨毯がうっすら湿った一帯がある。
真菜の息が荒くなる。
真菜は――。
その湿り気に鼻を近づけて嗅いだ。
子供の頃から、何でもすぐ匂いを嗅ぐ癖があった。
初めて小学校で教科書をもらった時、ページを開いてすぐに嗅いで先生に止められた。
初めて子供用切符で電車に乗った時、母から渡された切符をすぐに嗅いで叱られた。
初めてのセックスの時も、ようやく見ることのできた男根の先をすぐに嗅いで喜ばれた。
真菜は、絨毯に鼻をくっつけて犬のようにクンクン嗅いだ。
薄まっているが、確実に、酸っぱく鼻の奥を突くような『メスの香り』が嗅ぎ取れる。
真菜は鼻を絨毯にこすりつけ、貪るように嗅いだ。少しずつ位置を変え、全ての湿り気を必死に嗅いだ。
――自分で『した』時に指に付く匂いと同じ……
――でも……
――残ってる香りは薄くても……
――こっちの匂いの方が……
――しの……ちゃん……
いつの間にか、真菜は絨毯に鼻をこすりつけながら、無意識に腰をくねらせ、スカートがめくれ上がっているのも構わず、タイツとショーツが包んでいる、ほどよくむっちりしている丸出しの尻をよじらせていた。
真菜は、自分の手を股間に伸ばそうとした。が、後ろ手ではめられた手錠がそれをさえぎる。なんとか伸ばそうとするが、届きそうで届かない。触れられないことが分かると、余計に股間と下腹の奥が疼く。必死に絨毯を嗅ぎながら、激しく全身や両腕をよじらせ、せめて指先だけでも股間に触れようと無理な体勢をいくつも試す。しかし、やはり届かない。
真菜は下腹部の内側を中途半端にかきむしられ、それがかえってそこにある疼きをますます激しく増長させられていく感覚にもてあそばれ続けた。
真菜の体の動きが止まる。
うつ伏せになっている真菜の目の前に、液体が飛び散り絨毯がうっすら湿った一帯がある。
真菜の息が荒くなる。
真菜は――。
その湿り気に鼻を近づけて嗅いだ。
子供の頃から、何でもすぐ匂いを嗅ぐ癖があった。
初めて小学校で教科書をもらった時、ページを開いてすぐに嗅いで先生に止められた。
初めて子供用切符で電車に乗った時、母から渡された切符をすぐに嗅いで叱られた。
初めてのセックスの時も、ようやく見ることのできた男根の先をすぐに嗅いで喜ばれた。
真菜は、絨毯に鼻をくっつけて犬のようにクンクン嗅いだ。
薄まっているが、確実に、酸っぱく鼻の奥を突くような『メスの香り』が嗅ぎ取れる。
真菜は鼻を絨毯にこすりつけ、貪るように嗅いだ。少しずつ位置を変え、全ての湿り気を必死に嗅いだ。
――自分で『した』時に指に付く匂いと同じ……
――でも……
――残ってる香りは薄くても……
――こっちの匂いの方が……
――しの……ちゃん……
いつの間にか、真菜は絨毯に鼻をこすりつけながら、無意識に腰をくねらせ、スカートがめくれ上がっているのも構わず、タイツとショーツが包んでいる、ほどよくむっちりしている丸出しの尻をよじらせていた。
真菜は、自分の手を股間に伸ばそうとした。が、後ろ手ではめられた手錠がそれをさえぎる。なんとか伸ばそうとするが、届きそうで届かない。触れられないことが分かると、余計に股間と下腹の奥が疼く。必死に絨毯を嗅ぎながら、激しく全身や両腕をよじらせ、せめて指先だけでも股間に触れようと無理な体勢をいくつも試す。しかし、やはり届かない。
真菜は下腹部の内側を中途半端にかきむしられ、それがかえってそこにある疼きをますます激しく増長させられていく感覚にもてあそばれ続けた。