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黒椿人形館
第2章 芳香
(2)
両手両足の自由が利かない中、下腹部を情欲の疼きにかきむしられながら、真菜の目がベッドの支柱を捉えた。ベッドの四つの角にある木製の支柱は、上部の先端が球状に削られた造形になっている。
真菜は、着ているニットの生地に染み込ませるかのように、右側の前肩あたりを、絨毯の雫の跡に強く何度も何度もこすりつけた。
その後、真菜は体をねじりながら何とか上半身を起こし、足をいろんな方向に動かしながら立ち上がると、手錠をはめられたままの両足で小刻みに跳びながらベッドの支柱の前まで来た。
真菜は後ろ手でスカートを尻側から指先で少しずつ引き上げながら全部まくり上げ、支柱の球にまたがるように股間を当てようとした。
しかし少し高い。
真菜はややつま先立ちになり、球にクリトリスが当たる位置で支柱を太ももで挟んだ。
そして――
腰を軽く前後し始めた途端――
「あああぁぁぁあっ!!」
真菜は思わず嬌声を上げた。
タイツとショーツを通して、支柱の球にクリトリスが押しつぶされる感覚――刺激を与えられるのを待ちわびていたように、その突起は暴力的なまでの激しい電流を一気に放ち、真菜の身体の内側にある神経という神経を猛烈な速さで犯しながら、淫靡なかすり傷を刻んで駆け抜けていく。
一旦刻まれたそのかすり傷は真菜の脳内を麻痺させ、さらなる刺激を求めてくる。
真菜はできる限り首を曲げ、絨毯にこすりつけたニットの肩の匂いを必死に嗅いだ。直接鼻孔へ押し付けて嗅ぎたいのに、あとわずかで届かない。さらに首を曲げ、肩を寄せる。首がつりそうになる。それでも鼻孔をニットに押し付けることができない。
嗅いでいるうちに髪が前肩に掛かり邪魔をする。そのたびに首を振り髪を後ろに回す。
それても真菜は、もどかしさの中でかすかに感じ取れるしのめの淫薫を一心不乱に嗅ぎながら、股間の肉芽を支柱の球で何度も何度も押しつぶし、摩擦した。