この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
黒椿人形館
第1章 黒椿館
※ ※ ※
真菜は三つある扉のうち、一番左の扉から開けてみることにした。
洋館の中は昼間とは思えないほど真っ暗だ。とはいえどこからか隙間から漏れてくる陽の光で、とりあえずは中の様子は分かる。
ショートブーツを通して感じる絨毯の感触が、やたらふわふわする。高級品なのだろうか。
自分の心臓の速い鼓動が聞こえるくらいの静寂の中、我ながらこんな大胆な行動が取れるんだと思いながら、真菜は歩を進めた。
それは、しのめのためだからだ。
確かに、しのめはこの洋館に入っていった。
親友の姿を見間違えるはずはない――。