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黒椿人形館
第4章 壁
 真菜は、しのめの淫液に濡れた右手の指を鼻孔に押し付けて嗅いだ。鼻がその淫液で濡れる。
 その酸っぱく発酵したようなメスの薫りは、穴越しに感じるそれとは濃さが全く違った。
 ――舐めたい。
 ――けど、しのちゃんの薫りが消えちゃう……
 ――やだ。
 ――でも……
 ――舐めたい……
 ――やっぱりだめ……
 「ああんっ……! は……かっ……あっ……!」
 突然、しのめの喘ぎ声が聞こえてきた。
 真菜の足を舐めながら、自分でクリトリスや花弁を刺激しているのだろう。
 しのめの淫靡な声が耳から入り、身体の内側を振動させ、子宮に響く。
 しのめの卑猥な舌の感触が、つま先から一気に脚を駆け上り、子宮を貫く。
 しのめの甘美な薫りが鼻から突き抜け、皮膚の表面に波紋を作り、子宮に集まる。
 「はあんっ! ああっ! はあんっ!」
 真菜も、思わず喘ぎ声を上げ始めた。
 切なげに眉を寄せ目をつむり、真菜は目の下を赤らめ、しのめの蜜液の付いた人差し指だけをチュ……とくわえた。
 やがて、真菜はつま先がガクン、ガクン、と引っ張られるのを感じた。
 真菜の足の指をくわえたまま、しのめの身体が痙攣しているのだ。
 同時に真菜も、下腹部の芯が暴れるように震えたかと思うと、脳に強烈な痺れが走った。
 真菜は、腰をビクッ、ビクッ、と震わせた。
 真菜の花弁は大きく開き、あふれた汁でまた絨毯に染みを作った。
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