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黒椿人形館
第5章 人形
(4)
真菜は、黒椿柄のソファの上に寝転がされていた。拘束は全て解かれうつ伏せになって、深く腰掛けている男のひざの上にむき出しの尻を乗せている。ひざまくらで頭を乗せる代わりに下腹部を乗せているような状態だ。
真菜は朦朧とした意識が徐々に回復しつつあったが、その格好が恥ずかしいという感情は芽生えなかった。自分の身体であって、自分の身体でないような感覚だった。自由に動かない。
男は、一本鞭の痕がたくさん残る真菜の尻を、その丸みを確かめるように手のひらで撫で続けていた。真菜の股間も、太ももも、びっしょり濡れたままだ。男は真菜の体液がバスローブや手に付くことなどどうでも良いようだ。
「……手……汚れちゃいますよ……?」
真菜はけだるい、か細い声を絞り出した。
「いくら鞭打ったところで、曲線の形は変えられないものだからね」
男は足のつけ根、下尻あたりを撫でて言った。
「……変えたいです……」
「そう、濡れやすい上に、量も多い」
相変わらず、男とは会話は成り立っていない。
会話にならなくてもいい――真菜は、何かしゃべっていたかった。
もう何日もまともに他人と言葉を交わしていないことが、そう思わせるのか――。
それとも、言葉を紡ぐことで誰かに頼っている気になりたかったのか――。
多分――
両方だろう、と真菜は思った。
「……すみません……すぐに漏れるというか……出てきちゃうんです……」
「そして、ここからの曲線のふくらみは足りないんだ」
「……太るだけなら……簡単なんですけど……」
男は、真菜の尻の間に指を入れ、液体まみれの陰唇をかき分けて、ゆっくりと花弁に綺麗な指を突き刺した。
「……はあ……うっ……」
真菜の口から、思わず吐息が漏れる。
花弁の内側から、勝手にドロリ、と蜜が吐き出される。