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黒椿人形館
第6章 乱舞
※ ※ ※
しのめは主の手で、全裸のまま後ろ手に縛られ、胴体に縄を何重にも巻かれ、一本の大きな椿の木に前屈みの姿勢のまま、つま先が地面に付かない程度の高さに吊るされた。
主は目で真菜をうながし、二人から少し離れた場所に立った。
真菜は椿の枝を手にしたまま、ためらいがちに立っている。
満月の明かりが、夜の闇の中、真菜の裸体としのめの裸体を薄く照らし、狂ったように咲き乱れる椿が一帯を紅く染め上げている。
また強い風が吹いた。
紅椿たちがざわめく。
吊るされたままのしのめの髪が広がり舞い上がる。
真菜の髪も、乱れるように舞い上がった。
真菜は吊るされたしのめの裸体を見る。
――やっぱり……
――きれい。
そう思ったとき、真菜は手にしている椿の枝を握る拳に勝手に力が入った。
真菜は椿の枝で、思い切りしのめの尻を打った。
「ああっっっ!!」
しのめが声を上げ、身体をびくつかせた。
真菜はその声に、小さな甘い甘い電流が背筋を上から下へと一気に駆け抜け、鳥肌が立った。
自らの花弁が、ジワッ……と蜜をあふれさせるのを感じた。
真菜は、何度も何度も、何度も何度も、しのめの尻を枝で打ちまくった。
「はあっ!! ……ああっ……!!」
しのめの声となまめかしくよじらせる身体が、真菜の吐き出す息を荒く桃色に変えていく。
椿の花は花びらを散らすことなく固まりで落ちるものだが、真菜が打つ枝の椿の花は、しのめの尻に弾かれ、その固まりを散らし、風に乗ってたくさんの花びらとなって、真菜としのめを包み込むように――二人の甘い吐息に呼応するかのように、月明かりを浴びながら華麗に乱舞した。
「あ……はうんっ……! マナ、ごめんなさい……! もっと……! もっと!!」
やがて真菜の持つ枝は、尖った部分でしのめの尻にすり傷をいくつも刻みこんで、椿の花をすべて散らし、その花びらたちは妖しげに二つの女体の周りを舞いながら踊り狂い続けた。