この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
一夜の愛、人との愛
第12章 穢れた天使は夢を見る





空全体が黒みがかった群青色になっている。
黒い夜が近い。





  *  *  *





―――大切にしてね、ザレム

―――貴方が貴方自身を大事にするように

―――人間を、守ってあげて





「……」

閉じていた瞳を薄っすらと開くと、胡座を組んだ自分の足首が見えた。
薄暗い地下牢の中、時折聞こえるのは、入り口近くの松明が爆ぜる微かな音だけだ。

ザレムは、ゆっくり顔を上げると、天井を見上げて目を凝らす。

さっきまで見ていた奇妙な風景は、一体、何なんだろう。
幼い頃から、時折、眠っている時に感じられるヴィジョンだ。
人間で言うところの「夢」というものにも思えるが、見たことが無いから、果たして、これが夢なのかさえ分からない。
ただ、毎回、必ず女の声が聞こえるのは確かだ。
一面の青い背景の中に、真っ白い柔らかな人型のような光が見えると、どこからか女の声が、自分に何かを伝えてくる。
けれど、その言葉の意味を理解する前に、目が覚める。
だから何を言われていたのかは思い出せず、常に印象はおぼろげだ。


/226ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ