この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
一夜の愛、人との愛
第12章 穢れた天使は夢を見る
「……」

暫く、ぼんやりと天井を眺めてから、小さく溜息をついて、彼は再び視線を床に戻す。
考えたところで、あの女の言葉は思い出せないし、不可思議なヴィジョンの実態が掴めないのは子供の頃から分かっていることだ。

それにしても、座りっぱなしで身体が痛い。
自分達の身体は痛みに耐えることは出来るが、痛みを完全に消し去ることは出来ない。
(半人前だからか?)
強張った翼を軽く広げると、乾いた血のついた羽が擦れて、かさついた音を立てた。

翼が生え変わって、完全な天使になったら、痛みを意識から完全に切り離せるのだろうか。
尋ねてみたいと思うものの、幼い頃から気負いなく喋ることが出来た相手は、既に自分とは違う立場になっている。
大体、あの銀髪の旧友に尋ねてみたところで、いつ自分の翼が生え変わるか分からないのだから、気休めにしかならない。
(いや、違うか)
そこまで考えて、ザレムは苦笑して翼を緩く閉じる。
何を考えたところで、自分の翼は黒く染まっている以上、天使になれるわけが無い。
そんなことを考えるだけ、時間の無駄だ。

恐らく、全ては明日決まり、明日終わる。
/226ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ