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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
真理亜が躊躇う間に、ローブの裾を指先でたぐり、右膝を露わにして、胡座を組み直す。

じっと彼女の顔を見つめれば、耐えかねて動き出す女の姿にザレムが勝ち誇ったように口元に弧を描いた。

真理亜が、最後には自分の誘いに乗るだろうと、ザレムは賭けていたのだ。

「…ふ、んっ…」

ゆっくりと焦らすように、真理亜がザレムの右膝の上に腰を降ろし、膝立ちの足を開きながら、そっと前に移動する。

その様子に微笑み、淫靡な光景を愉しんで眺めていたザレムだったが、すぐに、その瞳からは笑みが消えた。

足に触れた剥き出しの蕾を愛液で滑らせながら、太腿の付け根に近寄ってくる感覚に、思わず熱い息がこぼれ、喉仏がゴクリと上下に揺れる。

そっと伺いながら身体を寄せる真理亜の動きは、ともすれば腰を近づけながら、こすりつけて快感を味わっているようにも見え、扇情的だった。

「ぁっ…、あっ」

半端な丈の上衣が真理亜の足の付根をかろうじて隠しているが、それも、彼女の動きに合わせてふわりと揺れれば、ちらりと茂みが覗く。

「お前……、自覚してんのか?」

「んっ……」

天使の唸り声に、不思議そうに動きを止めた真理亜が、あどけない瞳でその眼差しを見つめ返す。

彼女の表情には、何の計算もなく、ただ身体の奥から生まれる快感に浸っている甘い色だけが浮かんでいる。

「はっ…、ははは、そんなわけ、ねーか」

余裕を失いかけたザレムの笑い声が、岩肌に乾いて響く。

男の言葉の意味を理解しようと、じっと見つめた真理亜の脚の間を、力強い指が辿ったのは、その直後だった。
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