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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
「へぇ…、気持ちいいか…」

愉しげに笑った男の口元で八重歯が一瞬、光ると、真理亜の右の鎖骨に布越しに不意に噛み付く。

「んぁ、ッ、…アッ、ああっ!」

ヒクヒクと男の指を締め付けながら、真理亜が再び淡い到達に身体を痙攣させると、唾液で上衣を濡らしながらも、ザレムは真理亜の鎖骨に噛み付いたまま、何度も顎に力を込めた。

「はっ、……アッ、あっ…」

痛みさえ快感に変わっているのだろう。

ザレムが力を入れる度に真理亜の口元から熱い吐息が何度も漏れる。

そのうち、細い腰が小さく前後に動き出し、角度を変える秘泉の中でザレムの指先が粘膜を時折ひっかくように抉りだす。

「んっ……、ぁ、…また、……ッ」

その声に、ザレムが指の動きを止めて、真理亜の顎に唇を押し当てる。

「なぁ、脱げよ。上も」

「あっ……」

潤んだ瞳が、上目遣いに絡んでくる男の視線にぶつかって、身体に快感の波紋を生み出す。

「見せろよ、マリア。全部、脱いで」

「……あぁ、ッ……はっ」

甘い息が呼吸の度に口元から、だらしなく漏れている。

互いの吐息が濡れすぎて、ザレムの声まで興奮して湿っているから、真理亜の意識は、思考することを放棄していた。

「んっ……」

気付けば裾に指をかけて、一気にまくり上げている。

脱ぎ捨てる途中に布に触れた乳首が痺れて、思わず肩をピクッと竦めながら、頭から引きぬいた白い服を片手で投げれば、改めてザレムの身体を見つめて、真理亜が、はぁ…と熱い息を吐いた。
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