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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
膝の上で一糸まとわぬ真理亜の瞳が、ザレムの瞳とぶつかって切なげに細められる。

言葉も無く、情欲に染まる視線を当てられ、口端を持ち上げたザレムが何度か頷いた。

「そうだな。俺も、脱ぎたい」

「……、ッ、……ば、か」

「……」

甘く透き通った声で言い返され、意外な返しに面食らったザレムの肩を、真理亜が抗えない欲に押されるままに、白い指先で、そっと撫でた。

その顔は泣きそうに歪み、羞恥と悦楽に必死に流されまいとしているのが伺える。

服を脱いだことで、手放したはずの恥じらいが、ひと時、蘇ったのかもしれない。

「っふ」

小さく笑ったザレムが、止めていた中指を唐突に動かし、真理亜の中を一気にかき混ぜ始め、グッと奥まで穿った。

「んァッ……!」

途端、触れていた天使のローブを反射的に握りしめ、真理亜が身体を固くする。

掴まれたザレムの肩口の黒い布が、右肘の辺りまで、ずるりと落ちた。

筋肉質な右腕から右半身までが露わになり、金色の瞳が一瞬濡れる。

揺れた身体を立て直そうと、無意識に両手をザレムの首に伸ばす真理亜が、触れた肌の熱さに息を飲んだ。

「あっ…、アッ、……だ、めっ…、やっ……、っちゃうッ」

「イけよ」

「だ、…め、……うごか、さない、でッ!」

腰の下で暴れるザレムの指から、くちゅくちゅ…という濡れた音が小さく響き、真理亜の身体が昂ぶり、何度も震えだす。

波打つ快感に力を奪われた右手がずり落ち、倒れかけ上体を支えようと、真理亜が、その右手をザレムの左太腿に乗せた。

身体が斜めに傾いたせいで、左の胸元が、ザレムの右胸から腹の上の辺りへと擦れ、押しつぶされながら、汗の滑りで降りていく。

「あ、はっ……アッ、や……ンッ」

熟れた胸の頂きが男の熱い身体に触れるだけで、甘い声が漏れる。

男の左腿を掴み、右手の指を首に引っ掛けたまま、真理亜の腰はザレムの指に合わせて前後に抉るように動いていた。

全身が、快感にさらわれていく。

揺れ出す女の腰の動きに、笑みを浮かべたザレムが指を2本に増やせば、真理亜の嬌声と濡れて湿った音だけが暗い空間を満たしていく。

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