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一夜の愛、人との愛
第13章 金の拘束
「んっ、…アッ……、だめっ、…、アッ……もっ…!」

俯いて目を強く閉じ、何度も首を振る真理亜の背中のラインに、ザレムが目を細めながら指の動きを急に早めた。

白い身体が甘く震えて、腰の動きも共に早まっていく。

突き入れた指を包み込む襞の収縮が強くなれば、「はぁ…」と熱っぽい息を吐きながら、ザレムが唾液をゴクリと飲み込んだ。

指を真っ直ぐ伸ばすと力を込めて、思い切り奥まで貫き突き上げる。

「ひゃ……ぁ、あっ、…イッ、く……あッ、ぁ、……んぁぁああッ―――!」

力無く膝上に倒れこむ、その肢体を見下ろしながら、きゅうっと締め付けられた指の動きを止めた男が、愉しげに微笑んだ。

達した瞬間の粘膜の動きが、淫蕩すぎてそそられて堪らない。

一瞬だけ、濡れそぼった指を動かし、熱いままの媚肉を刺激すると、高まった女の身体は、びくびくと膝の上で震える。

「あっ……、あ、ぁあッ…」

ままならない呼吸で、尚も必死に衝撃を抑えようとする姿に、逆に劣情が煽られる。

(突っ込みてーな)

腰の奥から疼く欲情が、出口を求めてたぎっている。
せめて片手でも自由になれば、彼女を四つん這いにして後ろから一気に貫いてやるものを。

「……ちっ」

忌々しげに舌打ちしたザレムに、真理亜が、かろうじて男の首に引っかかったままの左手に力を込め、しなだれかかりながら上体を起こした。

いまだ情欲に彩られたままの瞳で、舌打ちの意味を探ろうと、不安げにザレムの表情を見つめてくる。
その顔を見返せば、酸素を求めて薄く開かれたままの唇から、赤い舌がちらりと覗いた。
震える舌先は、まだ満たされない互いの欲望を表すように、艶やかに光り、濡れている。

「…」

鼻先が触れそうな至近距離で、視線を上げて、その瞳を覗きこめば、真理亜の襞は、飲み込んだままのザレムの指をキュッと締め付けた。
どんなに薄暗くても、濡れた視線が絡んで溶け合っていくのが嫌でも分かる。

「……ぁ」

妙な気分だ。
理由の分からない緊張に襲われて、一瞬、空気が張り詰めた。
どちらともなく唾液を飲み込む音が、ふっと静けさの満ちた岩壁に響く。

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