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一夜の愛、人との愛
第14章 求められる決断

「ッ……!」
突然の出来事に声さえ上げられず息を飲むも、グイと腕を引っ張られ、直後、下から身体を掬い上げられると、真理亜の落下速度が緩まった。
「……ぁ」
「お望みの場所に、着いたらしい」
低い声が耳に響き、真理亜はザレムの腕に身体を抱き上げられたまま、視線を下に向けた。
見えた広大な大地は、黄みがかった緑の草原と、そこから線を引いたように始まる、鬱蒼と茂る木々に覆われていた。
森の果ては、空からさえも見えない。
そして、森の上空だけ淡く雲の切れ間から白い日差しが入り込み、同時に金色の雷が縦に何度も空間を切り裂いていた。
(晴れてるのに…、雷が落ちてる)
想像以上に大きな森と、その不思議な光景に、真理亜が言葉を失う。
ほぼ風の吹かない空の下、ゆっくりと森の端まで降りたザレムは、地上に降り立つと彼女を地上に立たせた。
膝丈まで育った細い草が、そこここに隙間を作りながら群生して、申し訳程度に風に揺れている。
空から黄みがかって見えたのは、葉のあちこちが黄色く枯れかけて、また地面のあちらこちらが黄土色に変色しているからだった。
若干湿った大地に眉を寄せる真理亜をよそに、ザレムは森の様子を細めた目でひと通りざっと眺めると、徐ろに、ある一点を目指して歩き出す。
「待って!」
真理亜が声を上げるも、無言のまま、木の幹に近寄って片手を当てれば、ザレムは静かに振り向いた。
「羽がビリビリ言ってやがる」
「え…」
「さっさと終わらせて戻るからな。お前の我が儘に付き合うんだ。……しっかりついて来いよ」
瞳の奥に剣呑な色を含むザレムの言葉に、僅かにむっとしながらも、真理亜は無言で頷いた。
突然の出来事に声さえ上げられず息を飲むも、グイと腕を引っ張られ、直後、下から身体を掬い上げられると、真理亜の落下速度が緩まった。
「……ぁ」
「お望みの場所に、着いたらしい」
低い声が耳に響き、真理亜はザレムの腕に身体を抱き上げられたまま、視線を下に向けた。
見えた広大な大地は、黄みがかった緑の草原と、そこから線を引いたように始まる、鬱蒼と茂る木々に覆われていた。
森の果ては、空からさえも見えない。
そして、森の上空だけ淡く雲の切れ間から白い日差しが入り込み、同時に金色の雷が縦に何度も空間を切り裂いていた。
(晴れてるのに…、雷が落ちてる)
想像以上に大きな森と、その不思議な光景に、真理亜が言葉を失う。
ほぼ風の吹かない空の下、ゆっくりと森の端まで降りたザレムは、地上に降り立つと彼女を地上に立たせた。
膝丈まで育った細い草が、そこここに隙間を作りながら群生して、申し訳程度に風に揺れている。
空から黄みがかって見えたのは、葉のあちこちが黄色く枯れかけて、また地面のあちらこちらが黄土色に変色しているからだった。
若干湿った大地に眉を寄せる真理亜をよそに、ザレムは森の様子を細めた目でひと通りざっと眺めると、徐ろに、ある一点を目指して歩き出す。
「待って!」
真理亜が声を上げるも、無言のまま、木の幹に近寄って片手を当てれば、ザレムは静かに振り向いた。
「羽がビリビリ言ってやがる」
「え…」
「さっさと終わらせて戻るからな。お前の我が儘に付き合うんだ。……しっかりついて来いよ」
瞳の奥に剣呑な色を含むザレムの言葉に、僅かにむっとしながらも、真理亜は無言で頷いた。

