この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
一夜の愛、人との愛
第14章 求められる決断

慌てて首を左右に振るが視界は白一色に包まれ、唯一分かるのは繋いだ手の先に誰かいるということだけだ。
「ザレム!」
叫ぶ声が、空間に響いていかない。
耳を塞がれたように身体の中に籠もる自分の声に、真理亜は無意識にザレムの指を強く握った。
(!)
その手は握り返された。
この手は、ちゃんとザレムに繋がっている。
それでも、自分の胸元さえ視認できない状況で、不安は拭えない。
気付けば、足元に地面の感覚は無いし、反対の手を伸ばしても何にも触れることが出来ない。
(……いつまで続くの?)
白い繭の中に囚われた感覚は、一瞬にも永遠にも感じられた。
不意に、パッと白がかき消えた瞬間、真理亜は薄暗い雲の下、背中を下にして一気に空中を落ちていく所だった。
「ザレム!」
叫ぶ声が、空間に響いていかない。
耳を塞がれたように身体の中に籠もる自分の声に、真理亜は無意識にザレムの指を強く握った。
(!)
その手は握り返された。
この手は、ちゃんとザレムに繋がっている。
それでも、自分の胸元さえ視認できない状況で、不安は拭えない。
気付けば、足元に地面の感覚は無いし、反対の手を伸ばしても何にも触れることが出来ない。
(……いつまで続くの?)
白い繭の中に囚われた感覚は、一瞬にも永遠にも感じられた。
不意に、パッと白がかき消えた瞬間、真理亜は薄暗い雲の下、背中を下にして一気に空中を落ちていく所だった。

