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一夜の愛、人との愛
第3章 午後1時のリスニング
午後1時。

結局、会社には始業10分前に到着したが、朝から2回も走ったせいで、真理亜はクタクタだった。
午前の仕事は何とかそつなくこなし、ランチタイムの後に、トイレで着替えを済ませている。

今、真理亜は座席に戻り、朝とは違う青いシャツにスカーフを首に巻いた格好でヘッドセットを頭に装着していた。



「あれ? まーちゃん、着替えた?」

同僚の雪子も外食ランチから戻ってきたらしく、隣に座りながら尋ねてくる。

「うん、今日、ちょっと朝バタバタして汗かいちゃったからさー」

「あぁ、もう、暑いもんね。お」

雪子に返事をする傍から、電話が鳴り出した。

『また後で』と目配せすると、真理亜は受信ボタンを押してパソコンに視線を向ける。

「お電話ありがとうございます。クラブ○○○ラボ、サポートデスク天海(あまみ)です」



今日は、午前中の電話が1件1件の内容が重く、なかなか処理件数が伸びていない。
件数が全てでは無いが、受信できる件数もチームリーダーとしては一定数が必要だ。
真理亜は親身に相手の話を聞きながらも、要望と質問に的確に答えていく。



「そうですね。では、また何かあれば、いつでもご連絡ください」



会話の終わりに、定形の言葉で電話を切ろうとした時だった。



「あ、待って」



電話口の男が、受話器を置こうとした真理亜の指の動きを止めた。



「今、どんなパンツ履いてるの?」



―――!


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