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保健室は絶対領域
第10章 密会
しかし、全ての窓にはめられた鉄格子が…不自然な印象を与えていた。


「旦那様、お待ちしておりました。こちらでございます。」

執事の宮田がリビングへと案内する。

正造は、部屋に入る前に廊下でこっそりとリビングを覗き見る。


暖炉の前でロッキングチェアに揺れながら、品の良いワンピースに身を包んだ婦人が編み物に夢中になっていた。


「元気そうだな…」

「はい、ここのところ体調が良いみたいで、起きてることが多くなりました。」

その様子を聞いて、正造の口元が緩んだ。


「夕飯を一緒に取りたいから、準備してくれ。」

「かしこまりました。奥様もお喜びになるでしょう。」

宮田は嬉しそうにそう言うと、礼儀正しく頭を下げ奥へ下がって行った。
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