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第16章 秘密

正造は、一呼吸おいて、

「…わかった、12月にお前たちの婚礼をグループのホテルで行おう。
その代わり、二度と十勝平野について口にするな。」

やっぱり！！

良斗は、十勝平野に正造の触れられたくない秘密があることに気がついていた。

良斗は、静かに席を立って深々と頭を下げてその場を去っていった。


正造は、怒りに震え、携帯電話を取り出す。

「…俺だ。田辺良斗について徹底的に調べてくれ。」

そう言って、電話を切った。

（汚れたことも平気する男だから、ある程度泳がせておいたのに…調子に乗りやがって。）