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保健室は絶対領域
第4章 長い夜
その男は、タクシーを降りると、公園のベンチに桜子を横にし上着を掛ける。
水道でタオルを絞り、桜子の汗と愛液で汚れた身体を、優しく丁寧に拭き取っていく。
「うぅぅ…ん…」
朦朧とする意識の桜子は、時々苦しそうにうなり声をあげる。
一通り作業が終わると、袋からミネラルウォーターを取り出し口を開ける。
桜子に飲ませようとするが、上手に飲み込むことが出来ないのか、口の端から水がこぼれ出してしまう。
「やっぱり、だめか…仕方ない。」
男は、ミネラルウォーターを一度自分の口に含ませ、桜子の様子を伺いながら口移しで水を流し込んだ。
静寂が保たれていた公園に、桜子の喉がゴクリとなる音だけが繰り返し響き渡る。
桜子の意識がだんだんと明瞭になり、ゆっくりと暗闇に目が慣れ始めた。