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SA
第12章 終点
口パクで菜穂に聞く。

大丈夫か?



うんうん、頷いている。




さっきは恐怖から逃げたくて、早く到着して欲しかった電車。
今は向こうに着いたら、一番に菜穂を抱きしめたい。





菜穂が口パクでまた何か言っている。




???
よくわからなくて
何?
と聞き返す。




涙目でもう一度言った菜穂

『タスケテ』




え?





僕と菜穂と、菜穂の周りの乗客以外が消えた。





また…?
今度は何だよ!?



でもこれで、菜穂の近くに行ける



…!!





僕の手足が床から伸びた鎖と手錠に繋がれ、身動きが取れなくなった。



菜穂…ッッ!!
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