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だって可愛いから。
第4章 我慢なんか、しない。
「いいよ。気持ちいい。…何回もイッてるのに、まだイくんだ?…酷い顔。」
きょうすけは樹の顔に向かって手を伸ばした。樹は『酷い顔』と言われた頬をゆっくりとその手に寄せた。
「でも、何にも取り繕えなくなって、僕にすがってくる樹さんは、とても可愛いよ。」
寄せた頬を愛しむ様に優しく撫でる。
樹は目を閉じて頬を包む暖かさを感じ、その暖かさは心までも包まれて行く様だった。

そんな気持ちをきょうすけは知っている。
絶望的な中での満足感。
…クセになるんだ。これは。
そして、現在の自分を冷静に見つめる。
この人は僕のモノだ。
僕の与える快楽を全身で受け止める。
僕のために耐えて、僕のために尽くす。
何故かそう揺るがない核心がある。
だから、僕も彼女を裏切らない。
尽くしたくなる気持ちも、尽くさせる快感も知った。

だからきょうすけはいろいろ考えるのをやめた。
やってみないとわからないことがある。
もう、我慢はしない。

未奈の事を一瞬考え、また気持ちを樹に戻す。
「今度、彼女を連れてくるよ。その時は、もっと僕を気持ち良くしてね。」
樹の動きに合わせてきょうすけも刺激を加えた。
時折胸を濡らす涙に、興奮した。
与えられている快感はきっと同じくらいなはずなのに、自然と制御することができた。
心は身体をコントロールする。
それもまたきょうすけが学んだことだった。
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