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微かな光
第2章 最後の願い
燃えていく練炭から透明な湯気が立ち上る

車内は熱い

運転席を目一杯後ろに下げ、膝の上に明美を座らせた勝彦はじっくりと初めて会う明美の顔を見た

とても死に急いでいい年齢ではないことは明白で、一社会人として説得して辞めさせるくらいの事を然るべきなのは嫌と言うほど理解している勝彦

最近耳にするニュースが自分の目の前で起ころうとしていることに、どこか絵空事にさえ感じる

熱い車内で死に向かい少し高揚している明美の唇が紅く色づきそれがサクランボの実の様に可愛らしく美味しそうに見えた

果肉にそっと唇を添えるように触れるだけのキスをした
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