この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨 ─ 超短編集 ─
第2章 窓
窓の外。
そこに見えるのは隣の家の窓。
手を伸ばせば届きそうな距離。
でも、届かない。
私の想いも、届かない。
窓を開けて
カーテンも開けっ放しで
ふわあっと風が部屋を通る。
降り始めた雨粒がガラスをたたきはじめ、開け放した窓から降り込む。
東からの雨は、彼の部屋には降り込まなくて、惨めな私の部屋だけ濡らす。
少しでも、彼を感じたくて開け放している窓。
声。
気配。
匂い。
それらを一瞬でも感じることが出来た日は幸せだった。
でも、もうそれも終わり。
明日、彼は結婚する。
私とは違う他の誰かと。
このまま嵐になればいい。
結婚式なんて滅茶苦茶になればいい。
黒い雲が空を覆う。
風が舞い、大粒の雨が地上の全てを叩きのめすかのように降る。
見る見るうちに水溜まりが流れにかわり、塵も埃も路上のゴミも流されていく。
雷鳴が響き渡り、稲妻が走った。
そこに見えるのは隣の家の窓。
手を伸ばせば届きそうな距離。
でも、届かない。
私の想いも、届かない。
窓を開けて
カーテンも開けっ放しで
ふわあっと風が部屋を通る。
降り始めた雨粒がガラスをたたきはじめ、開け放した窓から降り込む。
東からの雨は、彼の部屋には降り込まなくて、惨めな私の部屋だけ濡らす。
少しでも、彼を感じたくて開け放している窓。
声。
気配。
匂い。
それらを一瞬でも感じることが出来た日は幸せだった。
でも、もうそれも終わり。
明日、彼は結婚する。
私とは違う他の誰かと。
このまま嵐になればいい。
結婚式なんて滅茶苦茶になればいい。
黒い雲が空を覆う。
風が舞い、大粒の雨が地上の全てを叩きのめすかのように降る。
見る見るうちに水溜まりが流れにかわり、塵も埃も路上のゴミも流されていく。
雷鳴が響き渡り、稲妻が走った。