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雨 ─ 超短編集 ─
第2章 窓
誰かが階段を上がってくる。
お母さんに泣いてるとこ見られたら、いろいろ聞かれそうで、急いで布団を頭から被った。


「美優」

聞こえてきたのは、お母さんの声じゃなくて、彼の声だった。

「美優、お前勘違いしてる。」

走ってきたのか、少し乱れた息を吐きながら彼が言う。

「結婚するのは、直樹だ。」

直樹…?

「聞こえてるか?明日、結婚するのは俺じゃなくて、な・お・き!」

嘘…

「だって!
直樹はまだ大学生じゃないっ!」

「やっぱ泣いてた。」

がばっと起き上がった私を見て、ふ、と笑った彼が私を抱き締めた。

「"できちゃった"んだってさ、あいつ。兄貴の俺差し置いて、先に結婚って生意気だろ?」

くすくすと笑う声が耳元で聞こえる。

「ほんとに?雅樹じゃなくて、直樹が結婚するの?」

「ほんとほんと。俺は素直じゃない誰かさんのことが気になってしょうがないし。」

「雅樹が結婚するわけじゃないんだね?」

「しつこいよ?」

「…ごめん。」

力が抜ける。
なんだ……
よかった……よかった…

泣き出した私を彼がぎゅうっと苦しくなるくらい抱き締める。

「お前、俺の気持ち全然わかってないだろ。」

「え?」
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