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粉雪のファンタジー
第1章 美しい女『雪』
時刻は夜11時を
過ぎていた。
……スウーッ……
俺は祈る思いで
達也先輩に
電話をかけた。
『……もしもし……夜分すみません。』
『おうッ!
涼か~元気か!?』
『……』
『……アラ?……
どしたの?元気ない?』
やけに優しい先輩が待っていた。
『…雪と…雪と
連絡が取れないんです……』
と言い、今週末まで東京に戻れない
ムネを伝えた。
『……先輩……
何か知ってますか?』
『……』
先輩が急に黙りこんだから俺は何かあると思い……
『知ってるんですね!お願いします…
教えて下さい!
このままじゃ俺……』
俺は今まで抑えていた感情が溢れだして涙が出ていた……
『電話じゃ言えないおまえ……
今、何処にいる?』
『……長野です……』
『長野か。
俺と会う時間はとれる?』
『いつでも、
時間あけます。
俺…雪に……
何かあったら……』
『早い方がいいよな?明日俺が、
長野に行くよ。』
『…え…?
先輩にそこまで
迷惑は……』
『電話じゃ言えない事だから……
それにおまえ……
どーせ今、
仕事全然身に入ってないんだろ…?』
『……はあ……
実は。でもホントにいいんですか…?』
『可愛いい
後輩の為。その変わり
飯おごれよ~』
『もちろんです。
でもホントに急に
すみません。俺、
先輩しかいなくて。』
『解ったから
もう泣くな。
2時間もすれば
長野に着くから。』
『……はい……
有難うございます。』
『着く頃電話するから』
『……はい……
有難うございます。』
『…ああ、でも…
覚悟はしといてな。何を聞いても……』
『……』
『それを
約束できないなら、俺は明日
行かない……』
『大丈夫です……
覚悟します。』