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粉雪のファンタジー
第3章 涼の決心…そして最終章★
雪の両親にも、
何度となく出くわした。
雪の両親は俺に、
会う度俺に、
頭を下げてくれた。
……俺なんか……
何もしてないのに。
こうして雪を、
撮り続けて1カ月が、経った頃いよいよ、医師に、
『今日で撮影を、
最後にして下さい。』
と言われ俺も、
この時は素直に、
従って居た……
……雪の……
様態が日に日に、
悪くなってるのは、俺が見ても、
明らかだった……
『……雪……
撮影……
今日で最後なんだ。』
……雪は……
俺に弱々しい声で、
『……達ちゃん……今まで有り難とう。』
と言った……
……俺は……
最後の撮影を、
始めた……
『……りょ、う……こんなもの残して、ごめんなさい……
もしあなたがもう、私を必要として、
いないなら……
このVTRは全て、
抹消して下さい……
もしまだ私を、
愛してくれるなら、涼の部屋のどこかに私を……
閉まって置いて……
……涼……
雪はあなたに、
愛されて幸せでした。』
『……雪……
なんて事言うんだ!涼は抹消なんて!』
……俺は……
フィルムを破こうとした。すると雪が、
『……達ちゃん……お願い……
雪の最後の言葉よ。』
『……雪……
解ったよ……』
気がついたら俺は、雪を抱きしめて、
泣き続けた……
『……達ちゃん……泣かないで……
雪は幸せだった……』
『……雪……
雪……
どうしてお前が……』
……神様……
どうか雪を助けて
……それか……
……俺の命と……
変えてくれ……
すると雪が急に、
咳き込み出した。
『……ああ……
雪ごめん……
体にさわるな。
今日は帰るよ。』
『……ええ……
有り難とう……
達ちゃん、涼に……』
『……ああ……
解ってる。
編集したら涼に、
渡すから……』
『……達ちゃん……有り難とう……』
『……雪……
ゆっくり休めよ。』
『……ええ……
おやすみなさい。』
俺は病院を後にした。