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不条理な世界に、今日も私はため息をつく
第2章 コンビニはどこですか
頭をがしりと掴まれ、荒々しく貪りついてくる唇。
やがて硬直してきつく結んだままの唇の境界を、舌先で端から端へと舐められた。驚くあたしに、男は今度ははむはむと唇を甘噛みしてくる。
口を開けれということなのだろうことわかった。
このままでは食われるかもしれないという、一瞬の本能的恐怖が、あたしの唇を緩め、その瞬間を狙ったかのように……男の舌がぬるりと、強引に口内にねじ込んできた。
そして奥にあるあたしの舌を見つけると、獲物を絡め取るようにして性急に動く。いやらしい動きと音をたてて。
なにこれ、なにこれ、なにこれっ!
舌から拡がるぞくぞくとした昂奮が、ざわざわと背筋を駆け上ってくる。
微電にも似た全身に行き渡る甘い痺れに、体を動かすことができない。
唯一動きが出るのは……、
「や……んっ…ふっ、っあ……」
あたしの声だけだ。あれだけ出なかった声が、男の緩急つけた舌の動きに応じて、簡単に漏れ出てしまう。しかも発情猫のように甘ったるく。
わかっている。
こんな場所で、こんな相手に。
あたしは相手が顔がよければ、誰でも流される女じゃないのに。
悔しくて堪らない。
だけど聡のように平静にはいられない。
「っ……あ、……ふっ……」
灼熱のように熱い舌は、あたしの舌の裏をなぞり上げ……思わず仰け反るあたしにお構いなしに、容赦なく暴れ回る。
口腔内を、烈しく犯されていく。