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白雪姫にくちづけを
第18章 浩巳の憂鬱
おれがカズヤを初めて見たのは、あずさのバイトあがりを待っていた時だ。
おれを不審者と勘違いした あいつが、あずさの背後から接近し、彼女を驚かせた。
そこまでは、自分の行動に非があると思っているのだが…
そのあと、腰を抜かした彼女を あいつがおぶって帰宅することになったのが、どうしても気に入らない。
『………。』
あの光景は、いつ思い出してもイライラする。
その次に会ったのは、2人きりでアパートへ帰ってきた時だった。
ちょうど、おれとの約束があったのに、直前にあんな奴と楽しそうにしてて…また、苛立ったのを覚えている。
そんな訳で、おれにとって奴は気に入らない存在だ。
カズヤだけじゃない。
今日見に行った、あずさの大学…
キャンパスとは、高校とは規模がまるで違う。当然、通う学生も大勢いるのは分かるが…
(色んな奴がいた…)
“誠実”や“紳士”なんて言葉とは無縁のような身なりの奴らが、うじゃうじゃいた。
あずさは抜けてるトコがある。
それは可愛さだが…男にとっては隙だらけってことだ。