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白雪姫にくちづけを
第18章 浩巳の憂鬱
ピンポーン
『浩巳!お疲れさま!』
夕方の機嫌は直ったのか、あずさは笑顔で彼を出迎えた。
(怒りは長続きしないタイプだな…)
笑みをこぼしながら、浩巳はあずさに差し入れる。
『プリン買ってきた。』
『わぁーい♪』
『あとこれ…』
続いて、旅行雑誌を手渡すと…
あずさの動きがピタッと止んだ。
(…?旅行は興味ないのかな?)
『浩巳ってば、ちゃんと聞いてたんだね?』
『…は?』
『カフェであたしが言ったやつ!
そっか!浩巳は旅行行きたいんだ?』
なんだか嬉しそうに話す あずさ。
しかし彼には意図が分からず…浩巳は水をさすことにした。
『あずさ…ごめん、話分かんない。』
『えぇ?!』
彼女はまた、ちょっと不機嫌になりつつも彼に話す。
実は夕方、カフェで浩巳が考え事をしてる間に、あずさは彼の誕生日を祝いたい、何がいい?と色々と質問していたのだ。
それで彼が持ち帰った雑誌を見て、浩巳が旅行を選んだのだと、彼女は思ったのだった。