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白雪姫にくちづけを
第20章 海
『うん、行こ♪海で泳ぐなんて、何年ぶりだろ!』
『あら、行ってらっしゃい♡』
『『えぇ?!』』
梨々子がヒラヒラと手を振る姿を見て、2人は声をあげる。
『りっちゃん、行かないの?』
『うん。焼けちゃうから!』
『梨々子ちゃんが企画して水着まで買ったのに?!』
唖然とする2人の視界に、大人びた雰囲気の男性が入ってくる。
『梨々子ちゃんね、あんまり泳げないんだよ。』
梨々子の頭をポンと叩いて、翔平が柔らかく笑った。
『//!もう、翔平!』
『浮き輪あるから、みんなと行っておいでよ。おれも行くからさ。』
頭をやさしく撫でながら彼は微笑む。
その眩しいほどの王子様スマイルに、梨々子は赤らめた頬をぷくっと膨らませて、承諾した。
『もぉ…翔平がそう、言うなら…』
キラキラと輝くような甘い微笑み。
大学では感じたことのない、余裕のある立ち居振る舞いが彼女達の目を釘づけにする。
(オ、オトナ〜///あたし達より6コも年上だもんね…。すごく物腰やわらかなのに、頼りがいがありそうな人だよね。)
コソ…
『梨々子ちゃんてさ、めんくいだよね。』
『え?…あはは。うん、前もそうだったもんね…』
骨抜きにされている梨々子の様子を見ていたあずさと芽衣は、以前の商店街での祭りを思い出す。
当時、梨々子と一緒だった元彼も、確か綺麗な顔をしていた。