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白雪姫にくちづけを
第20章 海


『前はもっとこう…辛口?な感じだったよね。』


『…ブラックコーヒー的な?』


『『そうそう。』』


『翔平さんは例えるならミルク的な?』


『『そうそう!…て、カズヤ!』』


いつの間にか話に入ってきたカズヤに、2人はギョッと目を凝らす。


『翔平さんの大人の魅力ハンパないな!あの梨々子があんな大人しくなってさ。』


『てゆーか今の例え、カフェオレでしょ。
カフェオーレが、飲みたいの〜♪』


芽衣とカズヤは面白そうに笑っている。


ふと、カズヤは目に入った浩巳の背中を叩いて、声をかけた。


『そんなムスッとすんなよ。あずさは浩巳くんのことばっか見てるじゃん!翔平さんに妬くことねーって。』


(遠藤だっつってんのに…

あずさのことも見るな。)


浩巳にとって、この旅行にカズヤが参加していること自体、好ましくない。
おまけに、会話も成り立たない。


余計に機嫌の悪くなった彼に、カズヤは構わず話しかけた。


『ま、今日明日くらい仲良くやろーや!』


げんなりとため息をつく浩巳の姿を見て、あずさも一抹の不安を覚えるのだった。


(みんなそれぞれに人は良いんだけど…大丈夫かな。仲良く過ごせたらイィんだけど…)



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