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白雪姫にくちづけを
第4章 距離《浩巳side》
『ごちそうさまでした!
すっごく、おいしかった~~♪』
『ふふふ、おそまつさま。お茶入れるわね。
それにしても、すっかり大人の女性になっちゃったね、あずさちゃん。』
『そんなことないです…』
女子トークとでも言うのか?
ひっきりなしの会話が延々と続いている。
早々に居場所をなくした おれは、逃げるようにテレビの前にいる。
特に番組を見ている訳じゃなく、ただソファに座っているだけだ。
こんな微妙な空気になったのは、全て母のせいだ。
───「あ、あずさ!!?」───
開口一番、おれは大声で叫んだ。
どこの世界に、叫びながらドアを開けるバカがいるんだよ。
その上、驚きと緊張と…
色んな感情が一気に湧き出てて…
つまり、あの時の おれはひどい顔してたと思う。
12年ぶりの再会が、あんなマヌケなものになって、おれは軽く傷ついてる。
それから妙に恥ずかしくなって、食事中も会話はできなかった。
(女同士は何で、ああも簡単に打ち解けたり、長々と喋り続けるんだろうな。)
…べ、別に、会話に入りたい訳じゃないし。