この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第22章 翔平×浩巳×カズヤ
『飲みますか?』
カズヤの目の前に、ビールが差し出される。
『お…おお、サンキュ。』
浩巳の意外な行動に驚きながらも、カズヤは缶を受け取った。
『昼間はすいませんでした。』
プシュ
腰を降ろしてビールを開けるカズヤの隣に、浩巳も続く。
『や、感じ悪いこと言ったのはこっちだもんな。ごめんな、浩巳く…っと、遠藤くんか。ハハ。』
花火に はしゃぐ あずさ達を見ながら、浩巳はポツリと話し出した。
『おれ…あずさが好きです。』
『ぅお…?!おー//知ってるよ?』
予期せぬ言葉に、カズヤはビールを手から落としそうになる。
『和宮…カズヤさんは、あずさのドコが好きですか?』
『…!お前…』
『大学では、あずさはどんな風に過ごしてますか…?』
カズヤの答えは待たずに、浩巳は続ける。
問いかけるというよりは、思ったことが口をついて出る…といった感じだ。
そんな様子に気づきながらも、カズヤは言葉を返す。
『いやまぁ、あの通りいつも元気に笑ってるけど…』
カズヤも彼女へ、視線を向ける。
『おれはどうやっても年下だから、あずさに追いつけなくて歯がゆいです…
おれの知らない場所で、知らない人に囲まれてるって思うと…それだけでもう、すごい悔しい…』
グビッ
ビールを飲むカズヤは一息ついて、俯く浩巳を見た。
『それってあれか?
早く大人になりたいとか…そんな感じ?』
『…はい。』
くしゃ
カズヤは浩巳の頭をぐしぐしとなでた。