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白雪姫にくちづけを
第22章 翔平×浩巳×カズヤ
彼女の愛らしい仕草は、浩巳の心を捉えて離さない。
その胸に溢れるのは、彼女への純粋な想い。
(こうして2人でいると、年の差なんか感じない。そんなの…本当は大したことじゃないんだな…。)
───「とりあえずな、キスしてこい。」
───「年の差なんて、一つの事実にしか過ぎないんだから。」
(………///なんか、釈だな…)
気づけば、カズヤの言葉どおりの思考に辿り着いた自分。浩巳は不本意ながら、改めて彼の言葉を思い返す。
───「素直なままに最善を尽くせ!」
───「あずさが好きなのはお前だ。大事なのはそれだけなんだ。」
(結局、焦っても仕方が無い。今できることを精一杯やれって…2人に同じこと言われたんだな。
おれが不安がってるってのも…初対面同様の人達にバレる位、態度に出てるのかよ…)
浩巳は、手元の光をぼんやりと眺める。
(今のおれにできることって、なんだろう?
どうやったら、あずさは笑顔でこの先もおれの側にいてくれるかな…)
───“早く大人になりたい”───
漠然とした悩みを抱えていた浩巳。
年上の同性と過ごしたことで、彼の心境に少し変化が訪れた。
あずさの頼りになる存在になりたいと、この日を境に、彼は強く感じるようになるのだった。