この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第5章 くちづけ
『きゃははは。あたし、ひどい顔!』
『確か、どっちが相手を早く笑わせられるか、変顔で勝負してた時よ。』
『くだらねー…ぶっ…!』
『この浩巳、ユニークでしょ。』
食後のアルバム鑑賞は大いに盛りあがった。
3人で話しているうちに、懐かしい思い出が次々に蘇ってきて、あずさは嬉しくなってきた。
(あたし自身、あんまり覚えてないと思ってたけど。こうして写真を見ながら当時の様子をおばさんに話してもらうと…ついこの間のことみたいに思い出すなぁ)
その思いは浩巳も同じようで、再会から彼らを包んでいた 気恥ずかしい雰囲気も、もうすっかり消えていた。
『ただいま。』
『あら、あなた。おかえりなさい。
もう、そんな時間になってたのね。』
『お久しぶりです、おじさん。
昔、隣に住んでた中山あずさです。
今夜は夕飯をごちそうになりました。』
『あぁ、聞いてるよ。お父さん元気?』
簡単な挨拶を終え、あずさは自分のアパートへ帰ることにした。
『おばさん、今日はごちそうさまでした!』
『楽しかったわ!普段、男ばっかりだから、女の子がいてくれるだけで嬉しいのよ。遠慮せず、またいつでも寄ってね。
じゃ、浩巳、よろしくね。』
『ん。行こうか。』
あずさは浩巳と共にマンションを出た。