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白雪姫にくちづけを
第5章 くちづけ
『はー…本当に楽しかったなぁ。』
『母さんのお喋りに付き合わされて、疲れたろ?』
『あはは、そんなことないよ。
話しやすくて、安心したよ。
…あ、公園だね。』
マンションを出た すぐ近くには
かつて2人がよく通った、小さな公園がある。
(アルバム見てたら懐かしくなったな…)
『…ちょっと、寄ろうか。』
あずさが言うより早く、浩巳が誘った。
『うん。』
きっと彼も同じような気持ちになってくれたんだと、あずさは嬉しくなった。
2人は街灯の薄く照らす、ベンチに座った。
その先には、砂場がある。
『公園での写真、多かったね。』
『ん。特に砂場な。』
『確か、砂場遊びが2人の日課になってたよね。』
にこやかな会話が続く中、ふと、あずさが思い出す。
『そういえば、浩巳くんは泥団子つくるの好きだったよね。』
『………。』
(あ、あれ…?)
『浩巳くん?』
(急にどうしたんだろう…また目が合わない…?)
『…ちなみにさ。』
『うん?』