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白雪姫にくちづけを
第24章 カラダの悩み


沖田と教室まで歩く。


『それからさ…』


(次は世界史だっけ?…あ、そういえば今日の小テスト、おれから当たる日だ…予習してない。)


『夏休み明けてから浩巳変わったよな。体育の授業や体つきもそうだけど…何より、あの口癖、言わなくなった!』


(前回はどの辺りまでやったんだっけ…やばい、早く教室戻らないと…)


『いや〜これでもおれ、毎回傷ついてたんだぜ?浩巳の放つあの冷たい…』


『うるさい。』


『そう!その言葉っ…え、今のって、ガチ?』


しょんぼりと肩を落とす沖田を置き去りにして、浩巳は教室へ急ぐ。


浩巳の口癖「うるさい」という言葉。
これは、他人の話を強制的にシャットアウトする彼の常とう手段だった。


浩巳は、自身のプライベートな話をしたがらない。他人にも同じく、そんなものを求めない。
故に今まで、一言二言話せば、三言目にはこの言葉だったと言っても過言でないほど多用していたのだが。


沖田の言うとおり、ここ最近、彼は意識的にこの言葉を避けている。


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