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白雪姫にくちづけを
第24章 カラダの悩み
そしてもう一つ、彼の取組む密かな努力…
ガチャ
『浩巳〜お風呂できたわよ。』
『はぁ…はぁ…勝手に入ってくんな…』
『まぁ〜た腹筋?体力つけたいなら、外でも走ってきたら?』
浩巳は夏頃から日々、自宅で腹筋をしている。
母は理由こそ知らないが、彼の熱心なその姿勢に、内心エールを送っている。
(ふふ。何だか知らないけど、大人しい浩巳が、こんなスポ根みたいなことしちゃって。よっぽど、大きな心境の変化でもあったんでしょうね。)
『いや…あ、風呂あがったら あずさのバイト先迎えに行くから。』
『はいは〜い♡』
(ま〜努力を見せたがらない子だから…外のランニングじゃなくて、家でこっそり腹筋なのかしらね。笑)
にやけ顔の母を追い出し、浩巳は浴室へ向かった。
(腹筋って…どんだけやったら割れるんだ?)
浩巳は湯船につかりながら、自分のお腹を触ってみる。
割れる気配など、さらっさらない。
(思えば部活もやってないんだ…そりゃ体も引き締まんねぇよな。)
彼の脳裏に残る、翔平とカズヤの海での記憶。
翔平は一見、背も高く、スマートなのだが…
趣味のサーフィンに加え、ライフセーバーの資格を持っているとあって、脱ぐとかなり体格が良かった。
カズヤも元は運動部だったらしく、それなりに鍛えた体だった。
『………。』
(あんなマッチョにならなくても…せめてこの薄い胸板と弱そーな腹は何とかしたい。
背筋も…明日からやろうかな…。)
浩巳はため息をついて、あがった。