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白雪姫にくちづけを
第24章 カラダの悩み
ガチャ
『お疲れさま。』
『お待たせ、浩巳。う〜寒いね、今日。』
秋とはいえ、11月も半ば。日が沈むと、一気に気温は下がる。
『ん、ほら。』
浩巳はあずさの手を繋いで、そのまま自分の上着のポケットへ入れた。
『寒い中、待たせてごめんね?』
鼻の頭を赤くしたあずさが、見上げてくる。
『いいよ…これからあっためてもらうから。』
『え、えぇ///?!』
『あれ?あったかいお茶、淹れてくんないの?』
『へっ…お茶?!…やだ//お茶くらい!もちろん淹れます!』
(くす。可愛いな、ほんと…)
『かお真っ赤。何想像したの?』
『!///ちち違っ…これは寒くって…!』
きゅ!
ふいに絡めた指に力を込めて、浩巳は彼女の手を一瞬強く握った。
『…////』
あずさも応えるように、きゅっと彼の手を握り返す。
(お風呂上がりの手、あったかい。浩巳の手、大きくて、ちよっと関節がごつごつしてて…好き//)
鼻と頬を赤らめて黙ってしまった彼女の様子を、浩巳は目を細めて盗み見る。
そのまま2人はポケットの中、繋がれた手に力を込め合いながら、黙ってアパートまで歩いた。