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白雪姫にくちづけを
第24章 カラダの悩み
『ね、早く開けて?湯冷めする。』
『うん、ちょっと待ってね!』
部屋の前に着いた2人。
浩巳との手は繋いだまま、かじかんだ方の手で、あずさは慌てて鍵を探す。
ガチャガチャ…ガチャ
バタン!
『んむ…///』
冷え切った真っ暗な部屋。
扉を閉めた途端、あずさは彼の体温に包まれた。
先ほどまで冷気に晒されていた彼の衣服は冷たく、抱きしめられるとヒンヤリと寒さが身に染みてゆく。
チュ…チュル、はぁ…チュ
『ちゅ…あずさ冷たいね…』
彼の唇も頬も冷たく冷えているのに、その吐息は驚くほど、熱い。
そのせいか
寒いのに、あずさの体はどんどん熱気を帯びてくる。
『ん、ンン…ひろ…あっ』
『一緒にお風呂行く?…それとも…』
『ん、やぁ//だめっ…』
吐息にくすぐられる耳元に、あずさは身をよじる。
その仕草が彼をまた、誘う。
『お風呂は…後にしよっか…チュピ』
『んもぅ//浩巳、強引だよっ』
『くす。好きでしょ?』
『/////』
『帰り道、手を握ってる時から早く…キス、したかった。』
(う、ずるいよぉ…////)
浩巳の囁きに彼女が敵うはずもなく…
手を引かれるまま、あずさは暗闇を歩く。
下着だけで横たわるには、ベッドはあまりにもまだ、冷たい。
『ひゃっ!寒いぃ…!』
『おれが、あっためてあげる…』
震える彼女に折り重なるは、彼と布団と、熱く艶かしい、くちづけ。
チュ…チュ…はぁ、チュル…
彼女の肌を滑る浩巳の指。
彼にしがみつく あずさの掌。
触れるその場所に隠された
ささやかな カラダの悩み。
互いにそんな悩みがあるとはつゆ知らず、
2人は今宵も甘い逢瀬に身を委ねるのだった。