この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
《今日は大気の不安定な一日です。》
『いつまで寝てるの?置いてっちゃうよ…』
チュ…
くちびるがとろける感覚の中、彼女は薄っすらと意識をうつつへ戻す。
『んぅ…』
《午後は激しい雷雨となり、時折、強い突風が吹く地域もあるでしょう。》
『浩、巳…//んっ…』
ギシッ…
ベッドの軋む音が微かに聞こえると、彼女の全身に重みがのしかかってくる。
『無防備…』
チュっと彼は鎖骨に唇を忍ばす。
『んぅ…あ//だめったらぁ!』
《家を出る時は晴れていても、雨具の準備を忘れずお出かけ下さい。》
ようやく甘い罠から抜け出し、あずさは大きな声を出した。
『はは、おはよ。』
浩巳は楽しそうに微笑んだ後、ムギュッと彼女の体に体重を預けた。
『お、重いよ〜…いま何時?』
『まだ6時。』
『なっ…何でこんな早くに浩巳が?』
寝ぼけていた頭がようやく回り出す。
昨日、浩巳は日付が変わる前にマンションに帰ったはずだ。
『んー…朝の起きぬけを襲おうと?』
『バカ!』
あずさの部屋の合鍵を使い、彼は夜這いならぬ朝這いにやってきた…?
『あはは。本当は忘れ物取りに来たんだ。昨日寄った時、宿題のプリント忘れた。』
あずさから離れ、浩巳はぴらっと数枚の紙を見せて言った。