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白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
朝食を終えると、あずさは身支度を始めた。
着替えは済ましてあるので、あとは軽くメイクと髪の毛を整えるだけ。
マスカラを塗るあずさの様子を、浩巳は隣からジッと見つめている。
『やっやりにくいんだけど…?』
『お化粧、すっかり慣れたんだね?』
『え?慣れるほど上達してないんだけど…』
あずさはもともと、化粧などしたことがなかった。
以前、浩巳とつきあうきっかけになった花火大会で、梨々子が化粧を施してくれ…その後、梨々子に習って、少しだけ覚えたのだ。
(浩巳が可愛いって…褒めてくれたから、するようになったんだけど//)
今度はチークを塗ろうと用意していると、
『おれやる。』
彼はチークを横から手に取った。
『目、つぶって?』
『ん、うん。(チークに目を瞑る必要ないんだけど?)』
ポンポンポン…
柔らかく肌を色づける彼の指。
ムース状のチークは、彼女をほんのりと恍惚の表情へ導く。
チュ
『?!ん…んんっ』
誘われるように、彼は唇を重ねる。
『あずさって素直だよな…そーいう所、たまんない。』
目を開けると、舌で唇をぺろりと舐めて笑う浩巳がいた。
無意識な彼のその仕草にあずさの胸はドキリと音をたてる。
『可愛くできたよ。』
『…んもぉ//』
『おれ、そろそろ行くから。あずさ、気をつけて行くんだよ?』
『うん、浩巳も。行ってらっしゃい。』
『行ってきます。』
そんな会話に胸を高鳴らせ、2人は別々に部屋を出た。