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白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
ゴロゴロゴロ…
今にも一雨来そうな、不気味な空が広がる。
『あずさ、傘持ってないの?!』
『だって、すごい晴れてたよね?』
『見なかったの?天気予報。今日は午後から激しい雷雨だよ?』
(うーん、起きぬけに聞いたような聞いてないよーな…)
本日の講義を終えた3人は、どんよりと黒ずむ空を見上げて話す。
『帰るまで持つかな?降り出す前に早く帰ろ!』
3人は足早に駅に向かった。
しかし、電車に揺られる間に、雨は強く地面を打ち始めた。
あずさは改札を抜け、大急ぎでヨネムラに駆け込む。
『ひゃぁぁ!』
カランカラン
『中山さん大丈夫?ちょうど強くなってきたわね。』
おばさんが、タオルを持ってきてくれる。
『傘ないなら、お店の持って行けばいいから。帰るまでに止むといいけどねぇ…』
心配そうに店の外を覗くおばさんだったが、無情にも、天候はこの後さらに悪化した。
(浩巳も傘持ってないはず…大丈夫かな…?)