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白雪姫にくちづけを
第5章 くちづけ


『…その、クンての辞めない?』


『…へ?クン?』


『もともと おれの方が年下だし。
仮にも高校生だからさ。名前、浩巳でいいから。』


『…あ、名前…。う、うん、そうだよね。』


薄暗い街灯が照らす浩巳の横顔に、あずさは少し緊張してしまう。


(い、言ってることは分かる。
でも何でだろう、なんか恥ずかしいな。
それに、暗いからかな?浩巳くんの顔、少し色っぽいような………


っって!!
あたしは何考えてんの!!)


『あずさ?』


『えっ…!!』


(う、うわうわ近いぃぃ!!)


『………。』


急に上げた あずさの顔は、覗きこんだ浩巳と20cmもないくらい至近距離にあった。


目が合った2人は、それを逸らすことも、動くこともできないでいた。


(浩巳くんの瞳、吸いこまれそう…
どうしてだろ…目が離せない//)


高鳴る鼓動。
浩巳のあずさを見つめる瞳が、熱を帯びているようにも思える。


(恥ずかしいのに、もっと見てたいなんて…
あたし、変…)


どうすることもできないあずさが
息を呑んだ瞬間───















浩巳の顔がゆっくりと近づく…














(う、そ……………)














浩巳はその唇を、そっとあずさに重ねた。


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