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白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
ちゃぷん…
(ふぅ…)
雨で冷えきった身体に、じんわりと温かさが広がる。
…くしゅ!
扉の向こうで、浩巳のくしゃみが聴こえた。
(恥ずかしがってる場合じゃないよね。)
『浩巳、入って大丈夫だよ…』
あずさの呼びかけに、一呼吸間を置いて、扉が開いた。
『あったまった?』
『う、うん。』
ザーーーーー
背を向けて湯舟に浸かるあずさに声をかけた後、浩巳はシャワーを浴びた。
しばらくしてシャワーの音が止むと、
カチャ
扉を開ける音がした。
『浩巳?』
少し振り向きながらあずさは問いかける。
『シャワーで大丈夫だよ。
あずさはゆっくり、温まっておいで。』
…っくしっ!
『ちゃんと浸かった方がいいよ。
風邪、ひくから…』
『…そ、そうだね。』
狭い湯舟。
あずさの後ろの僅かなスペースに、浩巳はそっと身を沈めた。