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白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
…はぁはぁ…はぁ…はぁ…
2人の身体はすっかり汗ばみ、換気扇では追いつかない程の熱気が浴室に充満していた。
のぼせた体をゆっくり動かし、浩巳はあずさを浴槽の外へ、そっと移動させる。
サァァァーーー…
彼はぬるい温度のシャワーを、あずさの頭にかけてやった。
(頭がスッキリして気持ちいいな…)
『あずさ、大丈夫?
立ち上がれたら、お水、飲んでおいで。それとも、連れて行こうか?』
(…あ。そうだ、あたしってば…)
少しずつ頭がハッキリしてきたあずさは、改めて、自分が全裸であることを思い出した。
と同時に、先程の行為が思い出され、一気に恥ずかしくなってきた。
『も、もう、平気。ありがとう。先にあがるから、後ろ向いててくれる?』
『分かった。』
背を向けた浩巳は、シャワーの温度をさらに下げ、今度は自分に浴びせた。
彼女の口から発せられた淫語。それは彼を熱くさせた。
純真なあずさを愛おしく思う反面、それを乱そうとする、背徳的な、感情。
浩巳は気づいている。自らに潜む、オオカミの影。そしてそれを、止められないということを。