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白雪姫にくちづけを
第25章 オオカミ予報*
浩巳があがると、水の入ったコップが机に用意してあった。
部屋の電気は落とされている。
あずさはベッドに横になりながら、カーテンを開けて、薄暗い空を眺めている。
『止まないね。』
浩巳の言う通り、雨音はさらに激しさを増していて、いつまでも終わりなく降り続くかのように地面を打つ。
この世のどんな音も吸収してしまうような轟音は、聞いているだけで孤独な気持にさせられそうだ。
コップの水を飲み干し、あずさの隣に腰掛ける。
『いくらのぼせて暑くても、こんな薄着じゃ身体冷やすよ。』
タンクトップからのぞく華奢な肩に、やさしく掌で触れる。
『浩巳の手、あったかい。』
『ほら、シャツ取ってきてあげるから…』
ベッドから立ち上がろうとする浩巳の手を掴み、あずさは力いっぱい引き寄せ、抱きついた。
『浩巳が熱く、して。』
耳元で囁く色を纏った声が、浩巳の理性をくすぐる。
『あずさ…』
『あたしまだ、のぼせてるのかも…浩巳にもっと、してほしい…』
じんじんと余韻を残している女芯とは裏腹に、満たされなかった身体の奥が、彼を欲して、切なくさせていた。
待ちきれず、唇を探すように、あずさから口づける。
暗がりに、ようやく目当てを見つけると、すぐにこじ開け、自分の舌を滑り込ませた。
積極的なあずさのキスに、彼も熱を込めて応える。