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白雪姫にくちづけを
第26章 こひつじレッスン*


…チュンチュン


昨日の大雨が嘘のように、穏やかな朝日が部屋に差しこむ頃…


鼻をくすぐる甘い香りに、あずさは目を覚ました。
気だるい身体で起きあがろうとすると、浩巳がやさしく手を貸してくれた。


『身体はどう?どこか痛むかな?』


『ん…?うぅん。痛くない。』


『紅茶、飲める?』


受取ったマグカップからは、砂糖の溶けた、甘い香りが匂いたっている。
一口飲めば、彼女の体をホッと温めた。


『お腹すいてる?パン、焼こうか。』


立ち上がる浩巳の袖を掴み、あずさはそっと頭を寄せる。


『朝は王子様だもんね?』


『は?おーじ?』


『…昨日の夜とは随分違うね?』


『//う…!』


『優しいふりして、また、夜はオオカミになるの?』


『……///』


『すきな子いじめるなんて、子供みたいね?』


『…あずさぁ〜〜』


浩巳の膝上に乗り、お姫様抱っこのような体制で座るあずさは、いたづらに彼の顔を覗きこむ。


痛いところを突かれた浩巳は、返す言葉がなく、顔を赤らめて目をそらしている。


『…怒ってる?昨夜のこと。』


『さあね?』


『きらいになった?』


『かもね?』


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