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白雪姫にくちづけを
第26章 こひつじレッスン*
言葉に詰まる浩巳。そんな彼に、あずさはもう一つ問いかけた。
『ねぇ…あたしと付き合う前も、こうだった?』
それは、彼女の中で密かにくすぶっていた思い。
『普段からやさしくて、えっちは少し強引で…次の日はとびきりやさしくて…』
『…あずさ?』
『浩巳が好きだよ。…時には恥ずかしいことされても//…今みたいに身体を気遣ってくれる所も…全部、好き。』
『…だけど時々考えるの。同じこと、誰かと経験したのかなって…』
彼に少なからず恋愛経験があることは、あずさにも分かっていた。
けれども、話を聞いたことはない。彼に話す気がないことも、察していた。
ただ…それが時折あずさを不安にさせていたことは事実だった。
(みっともないヤキモチ。だけど、好きになればなる程…浩巳を知りたくなる。あたしの側で…実は、あたし以外を思い出していたり、しない…?)
『………。』
彼女に応える声はなく、鳥のさえずりのみが部屋に小さく響く。
(やっぱり…聞いちゃいけなかった。)
『ご、ごめんね。嫉妬がましいね!パン、焼いてくる…』
ぐいっ!!
ドサッ
逃げようとするあずさを捕まえて、ベッドに押し倒す。
『…浩巳…本当に怒った…?』
『…正直に話すよ。』
嫌われるかもしれない───
そう思いながら、浩巳は言葉を紡いだ。