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白雪姫にくちづけを
第27章 忘却のカケラ


『着いたよ。ここだ。』


『わ!素敵ー!』


簡単な昼食を終えた2人。
駅から15分ほど歩き、緩やかな坂道を登ったところで、宿泊先に到着した。
客室、僅か10室程の小さなお宿。
和風の建物はすこし洒落ていて、小さな腕木門には小のれんが。
玄関口までの飛び石にはビー玉が散りばめられている。


カウンターで受付を済ます浩巳の脇で、キョロキョロと辺りを見回す彼女。


『ようこそおいでくださいました。どうぞ、こちらへ。』


部屋に通される前、庭園の見えるロビーに案内されると、そこにお茶とお茶請けが運ばれてきた。
お茶請けは一口サイズの上生菓子で、花の型押しがしてある。
慣れない手つきで、2人はそれらをいただく。


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