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白雪姫にくちづけを
第27章 忘却のカケラ


*** *** ***


『ひゃーおいしかったねー!』


『う…苦しい。』


本日のメインディッシュ。
カニすき懐石をたらふく食べた2人は、満足そうに部屋へと移動する。
今夜の夕食と明日の朝食は、別の階にある、食事スペースでいただく仕様となっている。
そこは区切られた個室空間になっていて、ゆっくりと2人の時間を楽しむことができた。


『ちょっと休憩したら、外湯めぐり行こうよ。あと、お土産も買いたい。』


あずさは昼間買えなかった、梨々子と芽衣、遠藤家への土産を選ぶつもりだった。


『ん。じゃぁ、どこの外湯回るか部屋で地図見て決めよう。』


*** *** ***


そうしていくつかの外湯めぐりを楽しんだ2人は、最後の湯を堪能した。


(ふー。いいお湯だったぁ。もぉポカポカ。ここで最後だから…)


湯からあがり、あずさが脱衣所で取り出したのは一つの小包。実はこれは、梨々子からの誕生日プレゼントだった。


───「ちょっと早めのバースデー。今度、浩巳くんと旅行行く時に持って行ってよ。あ、中は開けちゃダメ!当日のお楽しみにしといて!」


それは、芽衣と3人で下着を新調しにショップへ行った時のこと。
“勝負下着”とだけ梨々子は伝え、あずさにそれを渡していた。


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